ゲストハウス開業のための潤沢な資金を持っている方には関係のない話なのですが、資金不足のため銀行等からの融資を検討されている方には、気をつけて頂ければならないことがあります。
それは、融資と事業許可には密接な関係があるからなのです。
そもそも銀行が融資を実行するには、その事業が確実に行えることが前提条件になります。
つまり、事業許可(ゲストハウスでは簡易宿所営業許可)が取れなければ、その事業を行うことができないため、融資目的に反した融資ということになります。
事業許可が先か融資が先か
これは悩ましい問題ですね。
建物取得、改装をしないで既存の状態でオープンさせるような場合は、許可を先に取得する方が時間的にも合理的と思います。
反対に、建物取得等が絡んでくる場合は、融資申請を先にしなければいけません。
しかし、銀行等の融資申請の際の添付書類で、『営業許可証』の原本提示又はコピーの提出を求められるケースが間々あります。
融資を受けてから改装工事をおこない、設備等を整えいつでもオープンできる準備ができてから許可を申請するのが一般的な流れになるのです
それなのに、フライング気味に許可証を求められてしまうと堂々巡りになってしまってどうしようもなくなってしまいます。
このような場合、融資窓口又は担当者がよくわかっていないことが多いです。大抵は流れを説明すれば問題ないのですが、中には融資を断るためにわざとそのようなことを言うこともあります。
後者であれば、その銀行では資金を引っ張るのは無理なので、さっさと次の銀行を探した方が賢明です。
融資を受けて設備投資をしたが、肝心の許可を受けられなかった場合
これは、もう悲劇としか言えないでしょう。
というよりは、事業計画があまりにも杜撰だとしか言いようがありません。
事業計画は、何もペーパーに起こすだけではありません。
ペーパーに起こすことなど、全体の内の数パーセントに過ぎない作業です。
そもそも、融資申請以前に許可を受けられるかどうかの作業はマストですので、このようなケースが起こることは私の経験上考えられないことなのですが、それでも少なからずこのようなトラブルを抱えたお問い合わせを頂きます。
せっかく融資まで受け事業スタートさせるところまできているのに、許可を受けられないなんて目も当てられないことなので、もし、ご自身で申請をお考えの方で、確実に許可を受けられる自信がないのであれば、迷わず専門の行政書士に依頼することをお勧めします。
許可を受けられなかったときはどうなるか
この場合、銀行の方針にも依るのですが、ほとんどのケースで貸付金の返還を求められることになるでしょう。
既に工事を終えて、支払いをしている場合は困りますね。
そうならないためにも、しっかりとした事業計画が必要なわけです。