ゲストハウス許可申請(旅館業許可申請)の要件に資金証明は必要ありません。
が、事業を開始するためには最初にまとまった資金が必要になります。

事業展開する規模によって必要金額の多寡は当然変わりますが、物件の手配から開業までに少なくとも300万円から500万円位は初期投資として必要になるのではないでしょうか。

ゲストハウス開業を予定している人で、土地を取得し建物を建設される事業計画を立てられる人は少ないと思いますが、古民家を賃借、または購入しリノベートし開業を計画している人はかなりいると思います。

実際、古民家をそのまま使用することは、総床面積が100㎡以上か100㎡未満かによって対応が変わってくるのですが、仮に150㎡程度の古民家をゲストハウス仕様にする場合、リノベ費用だけで1,000万円を超える可能性があることを無視できません。
というのも、100㎡以上の建物について、建築基準法では不燃材を使用することを求めているため、古民家によってはアウトなケースもあります。

壁、天井その他諸々をやり直すとなると、その費用が100万円そこらで済まないことは簡単に想像できます。その他防火対象物としての消防法に関する条件をクリアできない場合もあります。
通常は、消防署の指導に従い何らかの消防設備の設置を義務付けられそれに従えば問題はありません。

当然、指導に従わなければ消防法令適合通知書が交付されないため、旅館業許可申請の要件を満たさないことになりますが。

つまり、開業予定者の計画とは関係なく物件の性質によって、開業費が青天井に増えるリノベートが求められることもあります。
お客様を宿泊させる営業をするのですから、最低限の設備を求められることは当然と言えば当然のことですが。

日本政策金融公庫から資金調達

日本政策金融公庫では、新規創業者向けに開業資金の融資制度を設けています。

以下、融資を受けるための条件です。

(1)創業の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

(2)雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件

  1. 雇用の創出を伴う事業を始める方
  2. 技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
  3. 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
    • 現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
    • 現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
  4. 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
  5. 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方
  6. 地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方
  7. 公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方
  8. 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方

  • 既に事業を始めている場合は、事業開始時に(1)~(8)のいずれかに該当した方
  • (3)自己資金の要件

    事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方。ただし、以下の要件に該当する場合は、自己資金要件を満たすものとします。

    1. 前(2)3.または4.に該当する方
    2. 新商品の開発・生産、新しいサービスの開発・提供等、新規性が認められる方
      • 技術・ノウハウ等に新規性が見られる方
      • 経営革新計画の承認、新連携計画、農商工等連携事業計画又は地域産業資源活用事業計画の認定を受けている方
      • 新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める方
    3. 中小企業の会計に関する指針または基本要領の適用予定の方