建物用途と床面積
ゲストハウスの運営を計画する中でかなりの確立で直面する問題が、建物の営業に使用する部分の延床面積です。
まず、事業として旅館業法に基づく簡易宿所としてゲストハウス(ここでは「ゲストハウス」といいます)を運営するには旅館業の許可が必要になりますが、許可の要件の一つとして旅館業の用途に使用する床面積が100㎡を超える場合は、事前に建物の用途変更がされていなければ許可申請をすることができません。
※ここでいう許可申請ができないとは、申請時の添付書類として建築基準法に基づく検査済証の写しが求められているため、建物用途が「ホテル又は旅館」となっていないものは書類を受理されないということです。
ゲストハウスとしては、33㎡以上の床面積(農家民宿であれば33㎡未満でも可)があれば許可要件は満たしますが、あまりにも面積が小さいと運営上の弊害も出てくると考えられます。
100㎡といいますと、その広さはおよそ4LDKの住宅を想像してもらえればイメージが湧くかと思います。
そのうちゲストハウスとして使用する部分の床面積が100㎡を超える場合は用途変更が必要になるのです。
ですので、用途変更をせずに旅館業許可をうけることができるのは、その用途に供する床面積が33㎡以上100㎡未満の物件ということになります。
ゲストハウスの運営規模を決める上で最重要ポイントと言っても過言ではないので、事業計画を作成する段階で慎重に検討することが求められます。
用途変更を必要としない場合
100㎡未満の物件であれば用途変更は必要ありません。
ただし、ゲストハウスの為に増築をする場合は、その用途を旅館として建築確認申請をおこなわなければならないことにご注意ください。
また、一般住宅をゲストハウスとして使用する場合は「旅館建物としての仕様」に沿うよう指導を受けますので、
古民家を改装して使用するようなときは予め調査が必要です。
いくら理想的な古民家・町家を見つけたからといって、それをそのままゲストハウスに使用できるとは限りません。
特に築100年を超えているような農家住宅では、許可申請前に専門家に建物のチェックをしてもらうなど最低限の調査は必要になってくるでしょう。
用途変更(確認申請)をする場合
既存の建物を改築・増築してゲストハウスを運営するには、予め建築確認申請をおこなう必要があります。
宿泊業の用途として使用するわけですから、その用途は旅館又はホテルとしての基準をクリアするものでなければなりません。
増改築が伴う場合をのぞき、用途変更をおこなうには殆んどのケースで建築士に依頼することになります。
その場合費用はかなり高額になることもあるので、100㎡以上の物件を選ぶ際には資金計画をしっかりと練ることが重要です。